トップページ全鍍連からのおしらせ<2009年版中小企業白書の概要<2004年版中小企業白書の概要


2004年版中小企業白書の概要


  経済産業省・中小企業庁は04年版中小企業白書を発表しました。
  昨年度の中小企業白書は、「貸し渋り」に多くを割いていましたが、04年は、中小企業
 の発展可能性にスポットをあてています。
 特に健康や環境に関する多様なニューサービスやコミュニティービジネスの誕生など、中
 小企業を巡る新しい動きをとらえています。
  テーマは、“多様性が織りなす中小企業の無限の可能性”で、2部構成となっています。
  第1部は中小企業を取り巻く景気動向をまとめ、第2部は海外展開や事業継承、高齢化
 そして金融など、中小企業が抱える課題や動きをクローズアップしており、今後の目指す
 べき方向性や秘訣などを提言しています。

■ 構成
◇第1部では景況回復の要因として
   ◎ 業種別
   ◎ 地域別
   ◎ 設備資金
   ◎ 資金繰り
 以上の視点から分析したもの

◇第2部では中小企業景況が緩やかな回復基調にある中、
   ◎ ニューサービスの創出及びライフスタイルの多様化
   ◎ グローバリゼーションと中小企業
   ◎ 世代交代と廃業を巡る問題
   ◎ 中小企業金融
 以上4テーマに焦点をあて、実態と課題、目指すべき方向性を示したもの
■ 2004年版中小企業白書の概要
第1部 
 1.中小企業の業界は、01年10月〜12月期を底に持ち直しの傾向があるが、大企業と
   比べて、中小企業は回復のスピードに遅れが見られ、地域・業種間での回復に対する
   バラツキが顕著。

 2.景況回復の遅れは、製造業と非製造業の間で顕著に表れている。
   製造業では、特に輸出関連業種である鉄鋼・非鉄金属、一般機械、電気機械・情報
   通信機械、電子部品及び輸送機器なとでは業況の急速な改善が目立つ。
   非製造業では、公共工事や新設住宅の着工件数の減少が響き、中小建設業は軒並
   み厳しい状況で、小売業も個人消費の冷え込みが影響、収益減となっている。

 3.業況回復のバラツキが顕著である要因として、内需中心の業種と輸出関連業種との
   ズレが生じており、これが景気回復の遅れにつながっている。

 4.設備投資に関しては、輸出型産業をけん引役に中小企業の設備投資も活発化してお
   り、「更新・維持・補修」及び「新製品・新規事業・研究開発」を目的に設備投資を行う
   中小企業の割合が急増している。

 5.資金繰りについては、国のセーフティーネット対策及び地域金融機関によるリレーショ
   ンシップバンキング機能強化の取り組みが効を奏し、改善傾向となっている。ただし、
   企業規模による。

 6.中小企業の景況を地域別にみると、関東、近畿地域では回復がみられる。国内外の
   需要増に伴い、一般機械、電子部品等で生産が拡大したのが要因となっている。
   一方、東北、四国地域では回復に遅れが出ている。
   さらに、完全失業率からみて、中部、四国地域で改善の動きがみられるが、北海道、
   近畿地域では依然として高水準で推移しており、回復に向けた動きにバラツキが出て
   いる。

第2部
 1.ニューサービスの創出及びライフスタイルの多様化
 (1)新たなニューサービスの展開
   健康や環境をキーワードとしたニューサービスを始める動きが活発になっている。
   高齢化や健康意識の高まり等、消費者ニーズをとらえ、市場形成するのは、ほとんど
   が中小企業である。市場がある程度安定した段階で参入する大企業と異なり、中小
   企業は、個々の能力や価値観がある程度自由に発揮できる環境下、素早くビジネス
   (サービス)が立ち上げられることにつながっている。
 (2)SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)が注目
   個人のライフスタイルに合わせた就業形態のSOHOが注目されている。
   SOHOでも、女性の開業比率が副業で約55%となっており、その半分強は専業主婦
   が占め、動機は収入を増やしたいとしている。
 (3)多様化したサービスにより、新たな産業、雇用を創出
   高齢化やSOHOの開業等に見られるように女性の社会進出など、多様化な就業形態
   の受け皿として、コミュニティービジネスも増加傾向にある。地域に密着したサービスを
   行うことで、新たな産業や雇用等創出するきっかけにもつながる。

 2.グローバリゼーションと中小企業
 (1)海外生産を増やしている企業は国内の売上高も同様に増加傾向
   海外で生産された製品の国内販売拡大、海外活動を通じて新規顧客の開拓につなが
   る等が背景にあると白書では分析している。海外生産を増やすと、国内の製造部門の
   人員が減少するものと考えるが、実際は生産増強らより販路拡大のための人員が必
   要となるため、新たな雇用創出及び事業拡大につながっている。この具体的事例を白
   書では紹介している。
 (2)海外進出形態は直接投資と業務提携とあり、いろいろとメリット・デメレットがある
   業務提携は、直接投資と比較して、海外生産リスクが抑えられる反面、提携先に技術
   やノウハウを移転する必要があり、リスクが高い。直接投資を行う企業は自己資本が
   高いため、信用力が高く、リスクは低い。直接投資は独資と合弁があるが、合弁では
   パートナーに影響される。パートナーが現地の慣習に精通し、スムーズに進められるケ
   ースもあるが、経営方針の相違により撤退する割合が高い。反面、独資で進出する方
   が成功率が高いといわれている。また、現地法人の最高責任者の採用にあたり、白
   書では、自社内の人間に任せる方が存続する割合が高く、さらに現地の人間に任せる
   場合は、本社が直に選んだ現地人に任せる方が、存続割合が高いと分析している。

 3.世代交代と廃業を巡る問題
 (1)事業継承の問題
   自営業主の高齢化に伴い、事業継承が大きな課題となっている。
   子供に継がせたいと考える経営者は多いが、子供が継ぐ意志がないこと等温度差が
   ある。白書では、事業を承継したは良いが、就任後、苦労するケースが多いことに着
   目、若い経営者ほど、リーターシップが発揮できない、従業員や取引付きとの信頼関
   係の構築、また、年功序列が根強く残る中小企業では、途中入社した場合、苦労が多
   いと分析している。
 (2)事業継承の成功のポイント
   インターネットの活用や社内体制の改編、販路拡大等新しい取り組みに挑戦し、自分
   の考えに合った組織を形成することが、事業継承成功のポイントになると白書では提
   言している。
 (3)後継者教育
   他社に武者修行に生かせることが有効である。他社での就業経験がある経営者の方
   が、社外との交渉や社内管理といった経営ノウハウを学んでおり、白書では、企業の
   成長に役立つと分析。ただし、本人が事業継承する意思がないと、他社で修行しても
   効がないとしている。
 (4)承継するタイミング
   ・先代の子供に継がせる場合、年代別でみると30代後半から40代での承継が適当
   ・事業承継が完了するまで、約3年が必要
   ・事業承継後、先代経営者は経営にあまり口を出さない方が良い
 (5)廃業
   債務超過前に廃業するかどうか判断、もう一度出直すのが結果としてよいと分析して
   いる。

 4.中小企業金融
 (1)資金繰り環境は改善しつつも、依然として融資環境は厳しい
   主銀行から思い通りに融資が受けられなかった企業割合をみると、従業員20人以下
   の企業で、全体の20%で貸してもらえない実態が判明、一方、企業規模が大きくなる
   につれて、資金繰りはしやすくなる傾向にある。
 (2)債務超過でも、円滑な資金調達は可能
   債務超過となって、資金調達を行う際、銀行との取引年数の長さは関係なくなり、思い
   通りに融資が受けられないとしている。しかし白書では、具体的な数値目標などを盛り
   込んだ経営改善計画等が策定できれば、金融機関から円滑に資金調達できると提言
   している。

トップページにもどる│全鍍連からのおしらせにもどる│2009年版中小企業白書の概要にもどる│