トップページ<めっきの紹介

 今日、製造・加工されている電気めっきは、家庭用品、家庭用電気製品、日用品雑貨、身具品、自動車・二輪車等の輸送機器、
 産業機械をはじめ、精密機器、コンピュータや通信機等の電子部品、宇宙機器など幅広い製品、国際商品に使用されており、
 日用品分野からコンピュータ・宇宙関連のハイテク分野に至るまで、製造業の発展に寄与し、今や、日本の総ての産業の基盤
 産業として日本経済の発展に大きく貢献しています。

◆◆ 各種表面処理の概要と利点・欠点 ◆◆

表面処理の種類 概要と代表的な用途例 主な利点・欠点
電気めっき  電解溶液中で品物を陰極として通電し表面にめっき金属を析出させるもので、装飾、防錆、機能とさまざまな目的に応じて比較的安価に、適切な金属皮膜を付与できるため、自動車は音響、航空機、通信機、コンピュータから装身具、雑貨に至るまで、広い用途に供されている。 (利点)量産品から多種小量品まで加工可能。多彩な金属質感を付与でき、高価な金属のすぐれた特性を良好な密着性をもった皮膜として、種々の金属素材や不導体素材上に付与できる。
(欠点)形状によっては、膜厚にムラを生ずる。排水処理が必要。
無電解
   めっき
 溶液中での還元反応を利用して品物の表面にめっき金属を析出させるもので、ごく一部の素材を除き、金属から非金属に至るまで広くめっき可能であり、膜厚精度もきわめて高いため、主に機能を重視した工業的用途に供されている。プラスチックめっきの下地用として不可欠。 (利点)均一な膜厚が得られる。不導体素材でも良好な密着性をもっためっきができる。殆んどの金属、非金属にめっきが可能。
(欠点)素材によって特殊で複雑な前処理が必要。排水処理が必要。
化成処理  硫化や酸化などの化学反応を利用して溶液中で品物の表面に薄い硫化物や酸化物の皮膜を作成するもの。鉄鋼の塗装下地用としてリン酸皮膜処理(パーカライジング)や亜鉛めっき等の後処理(クロメート)、銅や鉄の黒染め、古代色処理などがある。 (利点)クロメート処理は、亜鉛めっきやアルミニウム、マグネシウム合金の防錆処理として効果的。塗装密着性が良好である。工芸品などでは多彩な古代色が容易に得られる。
(欠点)摺動に弱い。排水処理が必要。
真空めっき
 (PVD,CVD)
 容器内を真空にして、金属や酸化物、窒化物などをガス化あるいはイオン化して品物表面に蒸着させるもの。真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング、イオン窒化、イオン注入など多彩な手法が装飾、機能の分野で活用されている。とくに半導体製造に不可決の技術。 (利点)大半の金属素材、非金属素材も処理可能。金属のみならず、化合物薄膜も被覆できるので、装飾性にすぐれた超硬質皮膜をも得ることができる。
(欠点)電気めっきにくらべ、かなり高温処理となり、コストも高い。
溶融めっき  亜鉛や錫、アルミなどの金属を溶融した中に品物を入れ、それぞれの金属を付着させるもので、代表的な例が亜鉛やアルミをめっきにした鋼板で、比較的大型の構造物やシートに厚膜がめっきされる例も多い。電子部品関係では、溶融ハンダ(ハンダディップ)もよく利用されている。 (利点)面積の大きいもの、重量物などの防食めっきに適している。とくに構造物への亜鉛めっきは数10年の防食性をもち、メンテナンスフリーである。
(欠点)かなりの高温浴作業となる。めっきの種類が制限される。
電着塗装  電気めっきと極めて似たイメージの技術で、水系塗料の中に被処理物を浸漬しこれを陰極又は陽極とし、直流電気を通じて塗膜を電着、形成させるもの。前者をカチオン電着塗装、後者をアニオン電着塗装という。防錆目的には黒色が多く用いられるが、クリアからカラー迄ある。 (利点)被処理物の形状に左右されず均一な膜厚に塗装できる。定量的に膜厚を管理できる。塗料損失が少なく、限外ろ過により塗料回収ができる。火災の心配がなく衛生的。
(欠点)厚膜化ができない。電気容量が大きい。色替えが困難。
陽極酸化  硫酸や蓚酸などの電解溶液中で品物を陽極とし、通電して表面に酸化皮膜を生成させるもので、アルマイトと称されることが多い。各種サッシュやドア、筆記具、カメラ圧板、ネームプレートから、航空機や精密機械、計測機器など広く利用されている。 (利点)Alの陽極酸化皮膜の厚さは装飾や防食を目的としたものでは410μmの範囲で用いられ、着色可能なことから用途は広い。
(欠点)脆いので二次加工が困難である。他の金属材料はAlのような厚い酸化皮膜は生成されない。
塗装  方法によって、吹き付け塗装、静電塗装、電着塗装、粉体塗装などがあり、いずれも広範囲に活用されている。多彩なカラー化がもっとも容易な技術である。防錆処理としてのタグロメタル、ジンクロメタルも一種の焼き付け塗装。ポイントは焼き付けや紫外線などの硬化方にある。 (利点)金属をはじめとする工業材料の最終仕上加工としてもっとも多く用いられている。処理方法が簡便であり、塗装の種類によって様々な特性をその表面に与えることができる。
(欠点)一般に表面硬度が低いことや、溶剤揮発型の塗料では公害の問題をかかえている。
溶射  金属、合金、炭化物、窒化物、酸化物などの粉末をノズルから高圧で吹き出し、火炎やプラズマ中で溶融状態として品物表面に付着させるもの。メタリコンと呼ばれる橋梁、構築物、船体などへの防食溶射や、硬度や耐摩耗性、耐食性等をロールや機械部品、モールドに付与するプラズマ溶射等がある。 (利点)使用目的に応じて最適な特性の得られる溶射材料を選定できる。とくにセラミックやサーメットの皮膜を作成するには唯一の方法。mm単位での厚膜加工が容易。
(欠点)コストは比較的大。被膜が多孔質で薄膜は耐食性に難。
表面硬化  鉄鋼材料に対する浸炭や窒化処理、高周波焼入れが代表的。最近では硫化処理をはじめ、AlCrTiW等の金属やその炭化物を素材表面から拡散浸透させる手法が開発されている。処理法もガス、塩浴、真空、イオン等がある。耐摩耗性をはじめ、耐疲労性、潤滑性、靱性等の機能が達成される。 (利点)金属材料の表面層を変質させて耐摩耗性や疲労強度等を向上させるもので、主に鉄鋼材料の表面処理として広く用いられている。
(欠点)めっきに比べ、一般に処理温度が高いので、材料が変形または寸法が変わることが多く、後加工が必要となる。
コーティング  有機高分子材料やガラス等の無機質材料で金属等を被覆させるもので、流動浸漬、スプレー溶射、静電、吹付けなどがあり、いずれも数10〜数100μmのプラスチック粉末を、・金属に付着後、溶融、・加熱金属に接触、溶融、・半溶融状態でコーティング、という方法の単独又は組み合わせで施行されることが多い。 (利点)塩ビやポリエチレン、ポリプロピレンあるいはテフロンなどの高分子材料の厚膜コーティングが容易。耐薬品性や耐環境性にすぐれた被膜が得られる。
(欠点)特性は被膜形成物質によって決まるので、その選択及び被膜欠陥の検査に注意を要する。
ホット
  スタンプ
 箔押し法として知られ、メタリックな装飾用途によく利用されている。ポリエステルフィルムをベースとし、これにアルミを蒸着し、接着層をもうけたものを箔とする。箔を形成品に対し、加熱され凸版を押しあてることにより、加圧された部分が形成品に転移する。 (利点)特に単純形状のプラスチック形成品等ではメタリック化が容易に行える。画像を印刷した箔により、任意の色のスタンピングが可能。
(欠点)素材との密着性に難がある。被膜が極めて薄く、弱いので、これを保護する被膜が必要となる。
 

◆◆ 電気めっきの種類と特色 ◆◆

銅−ニッケル−クロム  装飾クロムめっきと総称されるめっきで、金属素材、プラスチック素材を問わず装飾めっきの主流をなしている。素地加工や下地めっきの種類によって、単なる光沢外観のみならず、梨地、ヘアライン、スピン、ダイヤカット、サテン(半光沢梨地)、ベロア、パール等、多彩な外観が容易に付与されるため、クロムめっきのもつ重厚な金属質感、清潔感、精緻さと相まって、あらゆる分野で広く利用されている。
プラスチックめっき  めっき種類別の分類ではないが、装飾めっきの中で大きな比重を占めているめっきであり、プラスチック時代に不可決のメタライジング技術でもある。 プラスチック素材に電気めっきを施すことで、高級化、軽量化、多様化、汚れにくさ(清潔感)、耐衝撃性、耐擦傷性等が付与される。
金めっき  金めっきは、産出量の少ない金を最大限有効に活用する方法として、古代より馬具、刀剣、仏像・仏具、装身具に活用され、現代においても装身具、喫煙具、照明器具、眼鏡フレーム、時計、袋物金具、食器、仏具等に不可欠のめっき法として高く評価されている。
銀めっき  銀のもつ独特の色調は古来より尊ばれ、金とならんで装飾品全般に活用されてきた。今日でも、装身具、食器、喫煙具、バッヂ、メタル、楽器等に光沢銀めっきが利用されている。フルート等の管楽器に銀めっきを施こすと音色がよくなることや、洋食器に銀めっきすることで水分の中の微生物が殺菌され、衛生上きわめて好ましいことなど、銀めっきの目に見えない利点は、案外一般の人々には知られていない。
ロジウムめっき  ロジウムめっきは化学的に安定で、常温で変色することがないため、銀めっきの変色防止用にうってつけである。硬度は装飾用でもHv550〜640(工業用ではHv800〜1,000)と高く、耐食性、耐摩耗性共にすぐれているから、通常用いられる0.02〜0.2μm程度のごく薄いめっきでも十分使用に耐えうるものとして、装飾品や美術工芸品、楽器などに活用されている。とくに、時計側やライター、眼鏡フレームへの利用では、その特性が十二分に発揮される。
パラジウムめっき  耐食性は白金やロジウムほどすぐれてはいないが、貴金属の中では安価であるため、近年徐々に利用されるようになってきた。白金やロジウム同様、白色光沢外観を有している。
白金めっき  ロジウムほど多方面で利用されているわけではないが、耐食性や耐変色性、硬度等の点でロジウムと似た性質を有しており、重厚な外観と共に、高級な装飾品関連に利用されている。
黒色クロムめっき  漆黒調の皮膜が得られる代表的なめっきである。高級カメラの上蓋(グンカン部)やエプロン、底部、あるいは自動車やオートバイの各部品に広く利用されているほか、弱電部品や通信機部品(放熱効果を目的としたシールドケース等)、時計側、事務機等に活用されている。
亜鉛めっき
 (黒色クロメート)
 光沢亜鉛めっき後に、銀塩を含有した浴中に浸漬して得られる黒色クロメート皮膜は、耐食性が良好であるため、外観向上、すなわち付加価値向上の目的と共に、自動車や弱電などのボルト、ナット、各種金具類(内装品)等に利用されている。高級洋傘の骨に利用されている例もある。
黒色ニッケルめっき  めっき直後の皮膜は脆くて光沢がないため、一般的には膜厚2μm以下でラッカー仕上げをしたものが精密光学機器の内装品等に利用されている。耐食性は黒色クロムめっきにくらべると、かなり見劣りがする。
黒色ロジウムめっき  比較的新しいめっき法で、耐食性にすぐれ、重厚な色調と相まって、眼鏡フレームや時計側、喫煙具等に利用されるようになっている。
古美仕上げ  黒の濃淡ぼかしの色調と銅の赤味とが、見事に調和を保ってアンティックな雰囲気をかもし出す古美仕上げは、インテリア商品をはじめ、装飾品や美術工芸品、照明器具に欠かすことのできないめっき技術の代表格といえよう。ハイセンス、気品、年輪を感じさせる渋み、アンティック、一見矛盾するようなイメージが無理なく調和し、見る人の心をなごませてくれる独特のカラー、それが古美仕上げの、他の表面処理では得ることのできないよさであろう。
電鋳  電鋳とは、母型に膜厚ミリ単位の、超厚付け電気めっきを施こした後に、はく離して製品を作る方法で、原型を忠実に再現できる複製技術として、装飾の分野では主に美術工芸品や仏具の製造に利用されている。
亜鉛  代表的な防錆めっき法として広範囲な分野で活用されている。鉄の防食にきわめて効果的であることに加え、めっき浴及びクロメート処理の進歩によって外観性能も向上し、装飾的用途での評価も高まっている。
亜鉛−鉄合金めっき  めっき膜厚5μmで、塩水噴霧試験が2,000時間という驚異的な耐食性を誇る防錆めっきである。合金めっき皮膜組成は、亜鉛99.3〜99.8%、鉄0.2〜0.7%で、鉄が0.4%の時がもっとも良好な耐食性を示す。とくに黒色クロメートの場合、他の亜鉛系めっきよりも耐食性の優位性が顕著で、しかも健浴費、ランニングコスト共に他の合金めっきに比して安価である。
亜鉛−ニッケル合金
めっき
 亜鉛めっきが、より苛酷な環境下で十二分な防錆力を発揮するには、膜厚を15μm、あるいは20〜25μmと厚くしてさらに緑色クロメートを行なうという方法が考えられるわけであるが、部品によってはコスト上の制約、精度上の制約がある場合もある。そこで、より薄い膜厚で、より効果の大きい防錆めっき法という観点から実用化されたものが、この亜鉛−ニッケル合金めっきである。
錫−亜鉛合金めっき  延展性にすぐれ、二次加工性が高いという特徴をもった合金めっきで、塩水と湿潤雰囲気にとくにすぐれた耐食性を示す。皮膜中の錫が70%前後で、もっとも高い耐食性を示し、有色クロメートを施こしたものは、膜厚5〜6μmで塩水噴霧試験1,800時間(赤サビ発生迄)、同じく10〜11μmでは2,000時間をクリアする。
カドミウムめっき  かつては亜鉛めっきとならぶ代表的な防錆めっき法であったが、カドミ公害を契機として他の防錆めっきに代替され、現在では数社が実施しているにすぎない。とくに耐海水腐食性にすぐれており、またクロメート処理したものでもハンダ付け性がきわめて良好なため、航空機部品、船舶部品、電機部品等に根強い需要がある。
工業用(硬質)クロム  多くの機械的特性をもつ代表的な工業用めっきである。クロムめっきとしては、装飾用も硬質も、本質的な相違はなく、使用目的が装飾以外のもので、比較的厚い(JISでは5μm以上と規定)めっきを、工業用(硬質)クロムめっきと呼んでいる。とくに潤滑油等の保油性を要求される場合は、表面が多孔質なポーラスクロムめっきが活用される。
 

◆◆ めっきの代表的な特性 ◆◆


装飾めっき                     防錆めっき

  装飾 防錆 耐摩耗性   装飾 防錆 耐摩耗性
亜鉛
ニッケル 亜鉛−ニッケル合金
クロム カドミニウム
黒色クロム、同ニッケル 錫−亜鉛合金
錫合金 亜鉛−鉄合金
銅合金 化成処理
ニッケル合金        
金、金合金        
       
ロジウム        
パラジウム        
白金        
黒色ロジウム        
電鋳        
化学処理・着色        

工業用めっき

  装飾 防錆 耐摩耗性   装飾 防錆 耐摩耗性
銅           パラジウム
無電解銅 ルテニウム
ニッケル
ニッケル−カドミ拡散  錫−鉛合金
無電解ニッケル
工業用(硬質)クロム インジウム
黒色クロム
金、金合金 磁性
分散(複合)
ロジウム 電鋳
白金        
 

◆◆ めっきの評価 ◆◆


               よいめっきって何でしょう?
               さびなどの耐食性が良いこと、めっきの膜厚が一定であること、密着していることなど。
               そこでそれらをどうやって評価するのか?代表的な試験方法は次の通りです。

◇ 耐食性試験
 塩水噴霧試験 :製品を一定条件の食塩水噴霧中において、腐食状態を調べます。
 8時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間などで24時間連続噴霧で1サイクルとする
 こともあります。耐食性を評価するのにポピュラーな試験方法です。そのほかにキャス試験、コロード
 コート試験、亜硫酸ガス試験などがあります。
◇ めっき厚さ試験
 【電解法】
 めっき皮膜を陽極として電解液中で電解を行い、電解に要した電気量と時間と溶融金属量から膜厚
 を測定できる方法。
 【蛍光X線法】
 製品にX線を照射して放射される蛍光X線の強度を測定してめっき厚さを求める方法等があります。
◇ 密着性試験
 曲げ試験:試験片を規定の角度になるまで曲げ、ワン曲部の剥離状態やヒビ割れなどを調べる方法
 があります。
◇ 硬さ試験
 めっき皮膜のかたさを定量的に測定するにはマイクロビッカース、かたさ計が利用されています。
 

◆◆ めっき工場で必要な資格 ◆◆


          電気めっきは化学、物理、金属、電気、機械などの領域にまたがる技術なので、広い範囲の知識を
          必要とします。
          しかし、基礎知識を土台にして実務経験を重ねることによって技術を修得することができます。
          めっき工場では公害防止管理者など多くの資格や免許が必要で、とくに重要な資格は次の通りです。
          なお、いずれも国家試験です。

◇ 公害防止管理者
 法律により、水質汚濁防止法適用地区では公害防止管理者の届け出が必要です。
 めっき工場では水質関係第二種(または第一種)公害防止管理者の資格者が必要とされます。
◇ 毒物劇物取扱責任者
 法律により、毒劇物を取り扱う工場には取扱責任者を置かなければならないが、届け出はシアンを
 使用する工場のみ必要です。
◇ 危険物取扱者
 法律により、灯油および軽油は500リットル以上、重油2,000リットル以上取扱う場合は乙種第四
 類または丙種の資格が必要です。
 無水クロム酸、濃硝酸、濃硫酸はそれぞれ200kg以上取り扱う場合は乙種第六類の資格が必要。
 

◆◆ リンク ◆◆


                下の会員組合HPは、めっきの解説などご紹介していますので、ぜひご覧下さい。


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